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天然ガス自動車の現状について
杉本雅之・小林裕司(天然ガス自動車北海道(株))
Overview of NGV : MASAYUKI SUGIMOTO, YUJI KOBAYASHI


はじめに
現在我が国には約7,000万台の自動車が走行しており、運輸部門のエネルギーは、ガソリン、軽油などその約98%を石油に依存している状況です。エネルギー源を多様化し極端な石油依存構造を安定化させつつ環境汚染物質を低減することは、我が国の大きな課題です。天然ガス自動車は、燃料の貯蔵方式で分類すると@天然ガスを気体のまま高圧(200kg/cm2)でガス容器に貯蔵する圧縮天然ガス自動車(CNG自動車)、A天然ガスを液体(-162℃)で、低温容器に貯蔵する液化天然ガス自動車(LNG自動車)、B天然ガスを、ガス容器内の吸着剤に吸着させ、圧力数十kg/cm2で貯蔵する吸着天然ガス自動車(ANG自動車)。現在、世界各国で利用されている天然ガス自動車のほとんどは、圧縮天然ガス自動車(CNG自動車)です。
天然ガス自動車の特徴
[長 所
(1)きれいな排出ガス
 ・CO2の排出量を、ガソリン車の2〜3割低減することができます。
 ・反応性HC(非メタンHC)及びCOの排出量が少なくなります。
 ・NOxの排出量を、エンジンの電子制御、触媒技術、希薄燃焼の採用等により低く抑えることが出来ます。
 ・粒子状物質は、ほとんど排出されません。
 ・燃料にイオウを含まないので、SOxは排出されません。

(2)広い用途
 ・軽自動車・乗用車からバス・トラックなど大型車両まで幅広い用途に使用。
 ・走行性能や燃費はガソリン車やディーゼル車に比べて遜色がありません。
 ・オクタン価がガソリン等より高く(メタンのオクタン価は130程度)、エンジンの圧縮比を上げて効率を高めることが出来ます。
 ・気体であるため、冬場でもエンジンスタートがスムーズです。
 ・ディーゼルエンジンから改造した車は、ベース車に比べ騒音・振動が大幅に改善されます。

[短 所]
(1)短い走行距離
 ・燃料が気体であるため、貯蔵容積効率がガソリン及び軽油に比べ1/3〜1/4程度で、一充填当たりの走行距離がガソリン車及びディーゼル車に比べ短くなります。しかしながら軽量容器を採用し、搭載本数を増やすことで、従来車とほぼ同等の走行距離を確保できる車もあります。

(2)車両重量
 ・ガス容器搭載により車両重量が増加します。但し、軽量容器の開発・採用により車両重量の増加はかなり軽減されます。
天然ガス自動車の安全性
天然ガス自動車の構造は基本的にガソリン、ディーゼル車などと同じであり、異なるのは燃料供給系だけです。この燃料供給系には、過流防止弁、安全弁、主止弁などの安全装置が取付けられており、ガス容器、配管・継手、機器類はすべて厳しい企画に適合したものを使用し、衝突の際に直接損傷することのない位置に設置されていることから、通常の自動車に対して同等以上の安全性が確保されています。



Profile

  1. 講演者氏名:杉本 雅之 (すぎもと まさゆき)
    共著者氏名:小林 裕司 (こばやし ゆうじ)

  2. 講演者・共著者所属:天然ガス自動車北海道株式会社

  3. 講演内容

    昨今の地球環境保護、環境意識の高まりから注目を浴びている天然ガス自動車の種類・長所・短所・安全性について述べる。


  4. 講演者プロフィール

    昭和49年 北海道ガス(株)入社 札幌工場技術課・・・ガス工場のシステム設計に従事

    昭和55年 北海道ガス(株)        小樽工場・・・      〃

    昭和58年 北海道ガス(株)営業開発部商品開発・・・寒冷地使用GHPの開発に従事

    平成元年 北海道ガス(株)技術開発研究所・・・ガスエンジン関連のシステム開発に従事

    平成 6年 北海道ガス(株)事業開発部・・・天然ガス自動車の開発・普及に従事

    平成 8年 天然ガス自動車(株)     ・・・      〃