シベリアにおける無人集油ステーションの建設に関する工程管理計画
丹治 経雄(東洋エンジニアリング)
Project Management Plan for the Construction of Oil / Gas Gathering Stations in West Siberia: Tsuneo Tanji

 

今年、東洋エンジニアリング(株)が建設にとりかかる西シベリアの5カ所の集油・ガス無人ステーション建設プロジェクトにつき、設計、制作、検査、輸送、建設、引渡しまでの一連のプロジェクトサイクルを例にして、通常石油開発関連のジョブで、エンジニアリング会社がどのような工程管理をしていくかを一般的に使われているプロジェクトマネージメントベースで説明する。

 

今回のプロジェクトも、設備としては通常井戸元で使われている集ガス・油設備であり、特に新たなプロセスの採用などの技術的な問題はまったくないが、異なる項目としては、

  1. 客先の作成した仕様がそれほど明確に規定されていないこと
  2. 建設場所が極寒地であること
  3. 既存のステーションはすべてロシア基準で作られており、通常米国などで採用している設計ベースと異なるため、確認が必要なこと
  4. 今回新たにロシア側より無人化運転をベースとした設計が要求されておりそれなりの工夫が必要なこと
  5. 建設場所がロシア内陸のため、海外で製作した機器の搬入のための輸送の経路・手段が限られていること
  6. 設計・建設に関してはロシア特有の法規があるが、今回のスコープは官庁申請までの作業も請け負っていること
  7. この地域の建設業者は限られており、それほどの能力が期待できないこと
  8. 契約発効から18ヶ月にて5カ所のステーションを完成させること

となっている。

 

エンジニアリング会社は客先より与えられた条件(仕様)にて、生産(性能)を保証するプラントを契約金額内で、期限内に納める必要がある。当然、エンジニアリング会社としては、客先の要求を確認し、仕様を満足させる設計を行いながらも、リスクを回避し、スケジュールを短縮し、コストを切り詰め、少しでも会社として利益を上げるプロジェクトの計画は必要であり、このためには、全体計画の詳細な策定と変更時の管理、スコープ管理、スケジュール管理、コスト管理、品質管理に加えてリスク管理も行わなければならない。

 

今回、東洋エンジニアリングのプロジェクトチームが行おうとする本プロジェクトの実行方針と、客先の要求を満たしながらプロジェクトを管理していく計画の概要を、通常使われている工程管理・コスト管理の手法を元に説明し、また、発注者の決定した仕様がエンジニアリング会社から見てどの程度建設コストに響いてくるかを例示し説明する。

 

 

プロジェクトの工程管理については、時間、コスト、品質等の管理が必要であるが、これらの管理は、当初のプロジェクト計画の策定が重要なキイファクターとなる。与えられた仕様に対してどのような考慮を払う必要があるか、コスト削減方法はどのような対策を講じるか、スケジュールの短縮はどのように成し遂げるか、どのようなリスクがあり、どのように対応する計画であるかを報告する。

 

また、プロジェクトの実行に関しては、各種のPMS(プロジェクトマネージメントソフトウェアー)を利用して実行を行うが、進捗状況の把握にはEV(アーンドバリュー)を採用して進捗の測定を管理を実施するため、その概念を述べる。

 

添付の図は今回納入する設備の概念図である。