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GTL(Gas-To-Liquids)技術の適用性
栗村英樹(帝石・本社)
Applicability of Gas-To-Liquids Technology to Gas and Oil Field Development : Hideki Kurimura


周知の通り天然ガス田の開発には、輸送手段を含めたマーケット問題をクリアする必要がある。特に、マーケットから遠く、しかも鉱量が大きくない天然ガス田を、「経済性を確保しつつ如何に開発するか」はかねてから重要な検討課題であった。この様な背景の下、天然ガスを生産地において液化する技術の開発が長年に渡って進展してきており、現在、研究段階にあるものを含めた天然ガス液化技術は次の通りである。

この内、研究段階にあるものを除き、LNGおよびメタノール合成については、今迄の相当数の適用実績および経済性等の調査結果から、概ねその適用性については明らかになっている(オフショアへの適用性は別として)。一方、触媒を用いる液体炭化水素合成技術(GTL技術)については、1993年にビンツルにおいてシェル社のプラントが運開されたのに続き、近年大規模のみならず中小規模ガス田への適用性が高まっているとされプラント建設計画が相次いで発表されているが、その実態は一般には必ずしも明らかとなっていない。そこで、プラント建設コスト等ライセンサー情報を入手し、GTL技術の適用性を調査した。その結果は次の通りである。

現在、適用性が高いとされるプロセスは、合成ガス(水素および一酸化炭素の混合ガス)を経由するいわゆる間接法で、以下の基本構成となっている。

これらの内、特に合成ガス製造およびFT合成に対して、触媒、反応器、空気直接利用等様々な改良が行われてきた。これらの改良により、既に、バーレル当り20ドルを下回る製造コスト(@0.5$/MMBTU)が達成されており、

等、操業費等不確定要素はあるものの現時点において既に、「商業的」適用領域は存在する可能性が高い。もちろん、不確定要素の確実化および更なる技術改良(バージ上載タイプ等)を図るため、海外に於いて、実証プラント建設が計画されるとともにライセンサー、エンジニアリング会社、石油会社等のアライアンスによる取組が進行中である。一方、数多くの海外未利用ガス田の活用に向けて、現在想定される極めて限定的な適用領域の大幅な拡大を図る研究開発も進められている。現在、巨大なマーケットを有するという観点で炭化水素合成への適用が指向されているが、近未来に於いて自動車用燃料等顕著な需要拡大の可能性を有するメタノール合成も視野に入れておく必要があろう。



Profile

  1. 氏名:栗村 英樹 (くりむら ひでき)

  2. 所属:帝国石油株式会社 生産部