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千葉県の水溶性天然ガスフィールドの現状
堀口克実(関東天然瓦斯開発株式会社 茂原鉱業所開発部)
Outline of Water-dissolved Natural Gas Field in Chiba Prefecture : Yoshimi Horiguchi


千葉県を中心とした南関東ガス田は我が国の水溶性天然ガス生産量の約90%を占めており埋蔵量、生産量とも国内で最大の規模を誇っている。生産された天然ガスの約90%が都市ガスとして供給されており都市ガスとしての需要も近年ますます増大している。また天然ガスを分離したかん水中には海水の約2000倍に当たる110〜130ppmのヨードが含有されており、医薬品、X線造影剤、化学触媒、殺菌剤等に使用されている。千葉県下におけるヨード生産量は世界の約40%を占め、天然ガスとともに非常に貴重な資源となっている。

茂原周辺における天然ガスの開発は昭和24年から本格的にスタートし昭和31年から40年頃にかけては年間20本以上の井戸が掘削され、昭和32年には年間で60本を超える井戸が掘削された。昭和62年以降から現在までは年間で3〜5本程度の開発状況にある。

また千葉県内における天然ガスの生産量はピーク時である昭和46年に約6億m3に達し、昭和40年代後半になると天然ガスの開発に伴うとされる地盤沈下問題が生じ昭和48年に天然ガス採取企業は千葉県と「地盤沈下防止協定」を締結した。この協定により井戸の削減が求められ、昭和56年になると井戸の削減方式から天然ガスかん水の地上排水量の設定による方式に改められ現在に至っている。この地上排水量は各開発地区ごとに設定されており沈下状況を勘案しながら5年ごとに地上排水量の協定値が見直されている。

このように天然ガス採取企業が地上排水量を厳守し地盤沈下の防止に努めており、また浅層の地下水の揚水も減少している結果、近年、千葉地区及び九十九里地区の地盤沈下は沈静化の傾向にある。例えば平成3年以降は年間4cm以上の沈下はみられず、過去5年間(平成3年〜平成7年)の沈下状況をみると沈下量2cm以上、4cm未満の沈下面積の平均値は46.2km2に対し平成8年における同面積は9.7km2である。

地盤沈下の原因に関しては表層の地下水の汲み上げ、天然ガスかん水の汲み上げ等の人為的によるもののほかに沖積層等の軟弱地盤の自然圧密による自然的要因で生じるものもあり、現実的にはこれらが複合されて生じているものと思われる。千葉県は天然ガスかん水汲み上げによる地盤沈下防止対策として地上排水量削減の指導及び新規ガス開発に対し的確な指導を図っており、当社としても天然ガス適正採取技術の確立を目指し過去より圧入還元試験等を実施してきた。

また平成6年度に茂原市の南西に位置する中原地区に試験研究として以下のことを目的に2本の地盤沈下観測井を設置した。

1)層別沈下観測システムの実用性を判断すること
2)経年観測による層別沈下挙動を把握すること
3)天然ガス生産による揚水量及び還元量と沈下量との相関関係を調査すること

この研究では地盤沈下を観測するシステムとして、単管方式及び連通管方式の2方式を採用した。観測深度の浅いNO-1号井では単管方式を用い国本層以浅(深度230m以浅)の沈下量及び地下水位を観測している。観測深度の深いNO-2号井では単管方式及び連通管方式を併用しており国本層以浅部分(深度180m)及び梅ヶ瀬層以浅部分(深度550m以浅)の沈下量と梅ヶ瀬層中部の地下水位を同時に測定している。

また平成8年度より国と共同で、生産還元システムの下での生産挙動及び地盤沈下の予測についての研究を行っている。

今後の水溶性天然ガスを開発するうえでの諸問題

1)丘陵部に未開発の鉱区があるが既設ラインがないことさらに鉱床の発達が茂原周辺に比べ悪いため開発するうえではかなりのコスト高となる。
2)開発の中心は外房地区であるが最近の都市化及び宅地化により掘削可能な用地が減少していること、さらに地盤沈下防止協定の中の坑井設置基準により坑井の設置位置が限定されており新規開発は難しくなってきている。

このような諸問題をかかえている上で今後の開発の方向性は既開発エリア内において排水限度量を厳守しながらの開発が中心となっていくがその他に隣接他社の施設を利用した共同開発等も検討されているのが現状である。











Profile

  1. 氏名:堀口 克実 (ほりぐち かつみ)

  2. 所属:関東天然瓦斯開発株式会社 茂原鉱業所 開発部