就任挨拶
平成16年6月から生産技術委員会の委員長を務めてまいりましたが、さらに2年間、委員長の職に留任することになりました。先の2年間は、不慣れなこともあり、至らない点が多々あったと思いますが、委員の皆様の協力を得て、なんとか務めることができました。この経験を生かし、今期は活動をより活発にするべく、非力ながらさらに一所懸命努めたいと思いますので、どうぞよろしくご協力お願いいたします。
近ごろの想定外ともいえるほどの高油価のもとでは、中国・インドを筆頭とする資源獲得の動きが世界的に活発化しています。石油鉱区獲得にあたっては、資金力ばかりに頼ることなく、その後の探鉱開発作業を裏付ける技術力の果たす役割が、ますます重要になってきているといえます。自前の資源に乏しい日本企業にとっては、技術力の向上と、それを世界に示すことが必要条件になってきています。さらに我々技術者は、それぞれの専門技術をいかに活用してビジネス価値の実現に結びつけていくか、経営感覚を併せもって努力していかなければなりません。
生産技術委員会では、地下深部の貯留層から坑井内部を経て地上の生産設備へ至る原油・天然ガスの流れに沿い、個々の場所において適用されるさまざまな技術、さらに輸送技術から利用技術までも含む幅広い分野を扱っています。したがって、委員の専門も異なり、多岐にわたるエンジニアの集団を形成しています。このため、委員会を通じた会員相互の情報交換・意見交換や、共通したテーマや問題点についての討議といった、基本的な委員会機能を確実に果たすことが、個々人の技術、視点を広げていくうえで、まず重要だと考えます。そして、それを春季講演会シンポジウムなどの機会に、さらに広く会員外にまで伝えていき、我が国の石油開発技術の足固めをしていきたいと思います。
しかし、最近は環境への意識の高まりの一方で、学生の資源開発離れとともに、石油開発の仕事を目指す若者が減少している傾向が懸念されます。これは、石油開発事業が国内では特定の地域内にとどまり、一般にはよく知られていないことが一因と考えられます。そこで、もっと我々の仕事に目を向けて理解してもらえるよう、2年前から全国の大学をまわっています。国内・海外でどんな仕事をしているか、また、画期的な新技術の開発状況を紹介しています。今期も、この活動をさらに積極的に進めていく所存です。
東シナ海日中境界線付近のガス田開発、大陸棚資源の権利維持のための大陸棚確定作業、再び燃え上がったエネルギー資源のナショナルセキュリティー問題、といったように一般のニュースを騒がせている現在は、一般の方にも、石油開発技術ならびに事業の実態を知ってもらうことが重要だと思います。日本で必要とするエネルギーを確保するためには、日本の石油開発業界の力をつけ、国際競争力を強化しなければなりません。そのためには、量より質を求め、若い人たちにも加わってもらって、技術力を高めていくことが急務です。委員・会員・学生に限らず、できるだけ多くの皆様にも、我々の活動を理解してご支援をいただきたいと願っております。
生産技術委員長 佐藤 徹