シンポジウム発表者名及び概要

○シンポジウム「油ガス田開発のリスク評価」(2001年5月31日)

1.埋蔵量リスクを考慮した油田開発評価(スノーレ北部開発):出光O&G

2.生産予測・可採埋蔵量の触れ幅の評価:石油公団

3.確率分布モデルにおける代表値評価手法について:JAPEX

4.油ガス田開発のリスク-掘削費について:石油公団

5.石油開発会社の財務リスクマネジメント:興銀

6.ベネベネズエラ油田再生化事業における経済的リスク:ベネ石

■ パネルディスカッション「油ガス田開発のリスク」

発表の概要について

●埋蔵量リスクを考慮した油田開発評価(スノーレ北部開発):出光オイルアンドガス開発 技術研究グループ 溝上克則様

ノルウェー領北海に位置するスノーレ油田では、現在油田南部より順調に生産を続けているが、新たに2001年8月の生産開始を目指し、油田北部の開発も進められている。 この開発方式の決定に際しては、開発方式の違いが埋蔵量に与える影響を考慮して検討が進められてきた。 その検討の中で、シミュレーション等では評価できない開発方式による埋蔵量の差を定量化することが試みられ、その結果を開発方式の決定に反映させてきた。 本講演では、その定量化の手法及び検討結果について述べる。

●生産予測・可採埋蔵量の触れ幅の評価:石油公団 技術部生産技術課 田中弘樹様

未発見構造に対する経済性評価のための生産プロファイル立案手法についての標準化を試みた。該当地域およびその周辺の油ガス田のデータから,可採埋蔵量と坑井数,ピーク生産量,プラトー期間生産量,減退率に相関が見られた。

既発見油田に対する油層挙動の評価は決定論的手法が主流であるが,これでは油田のリスクやポテンシャルを定量的に評価することには限界がある。このため確率論的概念を用いた評価手法が近年用いられ始めており,その最新技術動向について述べる。

●確率分布モデルにおける代表値評価手法について:石油資源開発 探鉱技術部 古瀬雅巳様

統計モデルを用いて埋蔵量を評価した場合、開発計画や経済性検討を行う上でP10/50/90などの埋蔵量を代表するパラメータ(例えば面積、層厚、孔隙率など)を設定する必要がある。

この様な問題の解法として最も簡単な方法は、共通なパーセンタイルにあるパラメータの組合せを求めることである。例えば埋蔵量分布を三つの対数正規分布(Area、Thickness、HCRF)の積で表した場合、埋蔵量のP10値は各パラメータのP23付近の値の積となる。但し、この手法の場合、各々のパラメータが持つ分散の大きさを考慮しない為に、分散が小さいパラメータでも大きく変動してしまう問題がある。又、各々のパラメータが対数正規分布と異なる一般的な場合には、代表的なパラメータを解析的に求めることが困難となるため、ソルバーのような解の探索ツールを用いる必要がある。

本発表で説明する手法は、シミュレーションしたデータ(trials)を直接使用して、特定のパーセンタイルにある埋蔵量のパラメータの代表値を求めるものである。例えば、P10埋蔵量となるような組合せは無限に存在するが、シミュレーション結果を直接調べることで、P10にヒットして各々のパラメータがどのような分布になっているかを調べることができる。

実際に調べてみると、不確定性の大きい探鉱段階では、分散の多き面積や層厚などは埋蔵量のパーセンタイルに対応して分布範囲が変動しやすいが、分散の小さな孔隙率や水飽和率などは、埋蔵量のパーセンタイルが大きく変動しても殆ど変わらないことがわかる。

この手法を用いることによって、各パラメータの分散及び分布関数を考慮した代表値を簡単に決定できる。又、確率モデルを用いた埋蔵量評価から、開発計画及び経済性検討に至る作業過程で、より実際に近い開発計画の立案が可能となる。

●油ガス田開発のリスク-掘削費について:石油公団 技術部 若月基様

掘削費の不確実性はDEのみならず、フィールド開発を計画するPEにとっても悩ましい問題である。石油公団技術部では本邦石油開発会社のプロジェクト投融資事業の技術審査を行っており、会社から提出された資料をもとに掘削作業予算と実績についてのデータベースを構築している。これをもとに、掘削費の増減の実情、その原因に関する考察を紹介する。併せて、最近行われている掘削計画の立案方法なども紹介する。

●石油開発会社の財務リスクマネジメント:日本興業銀行 営業第五部 柿沼正明様

1.石油開発会社のリスク所在と認識

 (1)キャッシュフロー的視点

 −生産量リスク、油価リスク、為替リスク、コストオーバーランリスク、金利リスク・・・・

 (2)バランスシート的視点

 −埋蔵量リスク、油価リスク、為替リスク、資産時価リスク・・・・

 (3)ナショプロ失敗例

2.マクロ的リスクコントロール

 (1)政治リスク 〜地域分散投資〜

 (2)時間リスク 〜時間分散投資〜

3.リスクヘッジ手段

 (1)油価リスク 〜油価デリバティブ〜

 (2)為替リスク 〜@ドル建借入A為替デリバティブ〜

 (3)金利リスク 〜@固定金利借入A金利デリバティブ〜

4.デリバティブの戦略的活用

 (1)借入金返済のための活用事例

 (2)資本金回収のための活用事例

●ベネズエラ油田再生化事業における経済的リスク:ベネズエラ石油 総務部 三上晃様

1.油価下落リスク

2.米ドルの為替リスク

3.現地インフレ・リスク

4.税制リスク

5.商法改定リスク