長期的な石油開発技術戦略
和佐田演愼(石油公団)
A Long Term Strategy of Technology Development in Japanese Oil and Gas Exploration and Production Industry : Hironori Wasada
石油公団では、昨年政府が産業競争力強化を目指した国家技術戦略の策定を決定したことを受けて、2003年頃を視野に置いた石油開発分野における長期技術戦略の検討を進め、業界及び学界の有識者から成る委員会による審議を経て、報告書としてまとめた。同報告書は、我が国石油開発産業の現状及び国際競争力の分析・評価を踏まえ、技術力向上のために産・学・官で対応すべき点及び今後取り組むべき技術課題を論じている。
本講演では、今後取り組むべき技術課題に焦点を当てて報告書の内容を紹介する。
1. 技術戦略の検討に当たっての基本的考え方
我が国の石油開発企業の多くが脆弱な財政基盤のもと、基本的に国の財政支援を得て新規投資を行っている現状を踏まえ、業界または各企業が安定した強固な事業基盤の整備及び国際競争力強化を実現する過程で、その一環として「技術分野の責任」や「技術力」を議論することが望ましいと考える。
2. 国際石油ガス産業が抱える命題
IEAの「中長期的一次エネルギー需給見通し(1998)」に拠れば、2020年においては、世界の一次エネルギー供給での
‐石油、ガスの割合はそれぞれ38%、25%と依然高い
‐ガスの比率が高まる
‐非在来型炭化水素資源の役割が増加する
となっている。
これを踏まえた中長期的な観点からの国際石油ガス開発産業の抱える命題は以下の通りと認識される。
(1)探鉱成功率の向上
(2)既発見油ガス田の回収率の向上
(3)コストの削減
(4)ガスの有効利用の促進
(5)非在来型炭化水素資源の効率的な開発の実現
(6)環境保全対応
3. 国家技術戦略
我が国業界が今後取り組むべき技術課題及び開発スケジュールは別表の通りである。別表のうち、太線で示すものが国の支援を受けて優先的に実施すべき課題と認識される。
今後の技術課題については、国際石油産業が抱える命題を同様に追及していくことを基本としているが、我が国業界が技術開発に投入できる資金・人材は限定的であることに配慮し、課題の絞込みを行っている。また、我が国産業の現状を考えると、今後ともその技術開発に対する国の支援の継続が望まれ、特に、探鉱成功率の向上、回収率の向上及びコスト削減を主たる命題とする操業部門のニーズに由来した技術課題の解決に対して国の重点的支援が必要とされる。
以上
