1. 「世界最高地層温度の掘削実績と新工法の経済効果」:東北大学 齋藤清次
温度540℃の世界最高掘削地層を如何に掘削したかについて述べる.具体的にはTDSを使用した革新的な掘削ツールス冷却法を開発し実際に適用し工学的なデータ取得と同時にビット使用時間実績から新冷却法の有効性について言及する.また,高温度地層の掘削は地熱井だけの問題ではなく,高温度油井(例えば基礎試錐「東頸城井」)でも大きな問題となっており,新冷却法を適用すれば効率的な掘削が実施できた事を指摘する.
2. 「石油開発における坑壁不安定に関するとりくみ」:石油公団TRC 山本
坑壁不安定に関わる問題は、石油開発技術と岩石力学の接点として精力的に研究が進められている。本報告では、問題点の基礎と各機関で進められている研究の現状についてレビューし、現在公団TRCで行われている研究について、大学との協力関係や、ケーススタディの結果を交えて紹介する。
3. 磐城沖プラットフォームからのERD可能性調査について:帝国石油 吉田肇
磐城沖プラットフォームからのERD可能性調査について、平成10年末から調査を行った。調査の結果、主にプラットフォーム設備の補強の困難さによって実行を断念したが、本調査において見いだされた技術課題、(1)トルクドラッグとウェルパス、(2)ホールクリーニングと泥水レオロジー、(3)トルクドラッグと泥水、(4)化学的坑壁安定性について報告する。
4. ケーシング設計方法の改良 - その過程と将来像:石油資源開発 中村元、中村常太
石油資源開発(株)では1989年に、それまで用いてきたケーシング設計法を改め、SK改良法と呼ぶ方法を採用した。その後も、坑井の大深度化による管種選択の困難などに対応するため、より現実的な設計条件を取り入れて改良を重ねてきた。それらの過程を総括するとともに、今後目指すべき方法とそこに至る道を模索する。
5. 「掘削技術における混相流工学」:東京大学 増田
昌敬・長縄 成実
混相流に関する工学は、石油生産、原子力プラントの設計、粉流体輸送技術の分野において多くの研究がなされて一つの学問体系を築いている。掘削技術の分野においても、混相流工学はキックコントロールの制御プログラムの作成に適用されているが、まだ有効には活用されていない。例えば、坑井掘削時のホールクリーニングに適切なポンプレートを決定する問題などは混相流工学の代表的な応用問題であるが、複雑な坑井内の状況をモデル化することが難しいために、簡単なハイドロリクスの計算と経験に基づいてポンプレートが決定されている。
本講演では、混相流工学とは何か、その応用分野、混相流動のモデル化手法などの現状を解説した後で、アンダーバランス掘削と混相流工学との関連性、傾斜掘りにおける掘り屑運搬の挙動などを考えながら、坑井掘削における混相流工学の将来ニーズを探る。掘り屑、ガス、泥水の環状部内3相流動のモデル化は学問的にも興味ある課題であり、この課題の解決が掘削のオペレーションに波及する効果は大きい。
6. 坑内温度圧力シミュレーションプログラム"WhiteCoal_T"の開発:日本海洋掘削 川村和広
石油公団TRC共同研究「メタンハイドレート開発技術」の一環として研究・開発した坑内温度・圧力シミュレーションプログラム"WhiteCoal_T"は坑井における温度・圧力評価を行うものであり、様々なプラントの熱解析、熱流体解析技術を掘削分野へ適用したものである。本報告では、計算モデルおよび実坑井データによる検証、評価手法、さらには計算精度向上のためには、どのような技術・工学分野が必要かを考察する。
7. 掘削同時地震探鉱(Seismic While Drilling)の技術、事例紹介:シュルンベルジェ株式会社 鎌田正博
最近の技術紹介をかねて、掘削同時地震探鉱(Seismic While Drilling)の技術、大水深掘削への適用事例紹介など