| 平成12年度石油技術協会秋季講演会講演要旨 |
| 1.天然ガス開発の現状_日本石油開発(株)のガス田開発事業 |
天然ガス開発の現状について、弊社が東南アジア(ミャンマー、マレーシア、インドネシア)およびオーストラリア地域において展開している4件のガス田開発事業を、天然ガス開発方式の視点に立って紹介する。天然ガス開発は、従来型開発方式(パイプライン、LNG)の他に、GTL技術等の導入による開発方式が真剣に検討される時代になったと考えられる。
|
| 2.GTL技術の展望 |
天然ガスは環境への負荷が少ないクリーンなエネルギー源として近年特に注目され、将来のエネルギー需要見通しでは、その比重は益々高まると予想されており、ガスの液体燃料化(Gas To Liquids:GTL)に代表される低コストでの天然ガス供給を可能とする技術開発が必要となっている。また、最近話題の燃料電池、マイクロガスタービン等の燃料源としても、天然ガスもしくは天然ガス液体燃料が有力視されており、今後の1次エネルギーとして天然ガスが石油に優るとも劣らぬ重要性を持つことは確実的であろう。本講演ではGTL技術の今後について展望する。
|
| 3.天然ガス利用技術の新機軸 |
現行またはその延長線上の天然ガス利用技術に関する同技術普及の障害となるであろう問題点を指摘し、それらを解決する技術新機軸の1つとして、セラミックス膜による高温酸素分離技術を提示するとともに、その活用方法を紹介する。又、帝国石油(株)に於けるセラミックス膜利用天然ガス改質反応器に関する技術開発状況を報告する。
|
| 4.ガスハイドレート輸送技術への期待 |
ハイドレートは非在来型の国産天然ガス資源としての注目が高まる一方、最近では大量のガスを比較的安定に蓄える性質に着目した、ガスの貯蔵や輸送への活用が検討され始めている。「燃える氷」と呼ばれるガスハイドレートについて、結晶構造や生成温度圧力条件などの基本的な性質を解説し、ガスの貯蔵能力や、取り扱いの安全性など工業利用分野における特徴を紹介する。また、利用をより容易にするための、安定性や生成分解速度などの諸特性の改良研究の例を示し、さらに今後の課題について考察する。
|
| 5.新クリーン燃料DME(ジメチルエーテル) |
ジメチルエーテルは、現在、スプレー用噴射剤として少量利用されているが、安価に大量生産されれば、民生用、輸送用、発電用と幅広い用途が期待される新クリーン燃料である。ジメチルエーテルの物性、燃料としての特性と利用技術、合成ガスからの直接製造技術の開発状況、DMEをエネルギー輸送媒体としたDMEエネルギーシステムと経済性の試算を紹介する。
|
| 6.水封式地下岩盤貯槽方式を主力とするLPガスの国家備蓄の現状 |
石油公団は、LPガス150万トンの国家備蓄達成に向けて、石川県七尾地点、長崎県福島地点、愛媛県波方地点は、立地決定し、基地建設の準備を進めている。岡山県倉敷地点は、立地決定の準備を進めており、茨城県神栖地点は調査を実施している。備蓄方式としては、地上タンク方式と水封式地下岩盤貯槽方式があり、主力となる水封式地下岩盤貯槽方式は、愛媛県波方地点(45万トン)及び岡山県倉敷地点(40万トン)で行われる。この水封式地下岩盤貯槽方式は、地中の岩盤内に空洞を掘り、そこに地下水圧による加圧によって、液化されたLPガスを常温常圧で貯蔵する方式で、安全性、経済性に優れ、欧米で多くの実績を残している。ここでは、水封式地下岩盤貯槽方式を中心に、その原理と特徴、各地点の計画概要、水封設計の考え方等について説明し、その理解を深める。
|
| 7.最近の燃料電池の開発動向 |
燃料電池は、その電解質によって、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形、固体高分子形等の種類に分けられる。燃料電池は高効率かつ環境に優しい革新的な電源として近年注目を集めており、分散型コジェネレーション電源、家庭用電源、自動車の動力源、あるいはコンピュータや携帯電話用電源として開発と商業化が進められている。特に自動車や家庭用電源としての実用可能性は、その市場が広く、社会に対するインパクトが大きい点からも人々の強い関心を集めており、それが一種の燃料電池ブームを創生しつつある。講演ではこれら各種燃料電池の世界における開発動向、および実用化、商業化のための問題点、ならびに市場分析について概説する。
|
| 8.拡大する世界の天然ガス利用と日本の課題 |
近年見られる天然ガス利用の目覚しい技術革新、および地球温暖化を含む環境問題へ の関心の高まりを背景に、世界的に天然ガス需要の増加が著しい。21世紀前半を展望すると、世界のエネルギー供給において、天然ガスの役割が一段と大きくなると見られている。アジア諸国でも、LNGおよびパイプラインガスの開発利用が本格化しようとしている。このような中で、今後、わが国における天然ガス利用のさらなる拡大を図る上での課題と問題点について考える。
|
| 以上 |